2013年8月9日金曜日

リスボンの夕闇

リスボンには、ロカ岬到達前の宿泊も含めて合計4泊。
帰りの飛行機が迫っているので、当初は2泊くらいでさくっと抜けるつもりが
2日目か移動した宿が思いの外、居心地がよく風邪の治りも悪いので
ここでのんびり回復を待つことにした。

とはいえ、残された日数で今回の終着点である、
友人の待つスペインのレオンまではかなりカツカツの日程。
色々検討して、ポルトガルはやむを得ずここで切り上げて、
分岐のスペイン国境バダホスまでバスで戻ることにした。

そんなわけでバスチケットを買いにリスボンの新市街のバスターミナルまで来たわけだけれど、
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文明の香りがする別世界だった。
ポルトガルってEU諸国じゃお荷物国家のはずなのにこのクオリティ。
隣接するショッピングモールも随分とご立派。
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チリ・アルゼンチンで先進国って思ってたけど、やっぱ本場は違うわ。
このあたりは98年のリスボン万博跡地。ゆえに特に先進的な建築が集結するエリアになっている。
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ただ、先進国に戻ってきた安心感は嬉しいのだけれど、
なんとなくあの途上国の得体のしれないエネルギーというかパワーのようなものは
ここでは鳴りを潜めていてちょっと寂しい気も。
それはないものねだりだというのは分かっているんだけれど、
それにしてもあの玉石混交の中から“玉”を探しだすような感覚がここではないのはやっぱり寂しい。
ここはお金を出せばそのままの価値が返ってくる世界。
それはそれで分かりやすくていいのだけど、今の自分にはちょっと物足りないかな。
まぁまぁ、そんな風にいわゆる途上国と先進国を同じ土俵で比べてみても
まったく意味がないってことは分かっているから、ヨーロッパも楽しみ方を見つけて満喫しなきゃ。

バスのチケットを手配して、旧市街に戻る。
リスボンも地下鉄網が整備されていて移動はスムーズ。
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滞在中はこれといって何か観光をしたわけではないけれど、
毎夕に宿の坂を上ったところにある丘から暮れる街並みを見下ろすのが日課になっていた。
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石やレンガ作りの古い街並みってどちらかと言うと重苦しくて苦手なんだけれど、
こと夕暮れに関しては全くの別意見。
忍び寄る夕闇に、ぼぉっと灯る街灯が鈍く石壁に反射し深い陰影を作り出す。
ずいぶんといい雰囲気だ。丘にそよぐ夜風も実に気持ちがいい。
闇に染められた街ゆく人たちは単調な黒のシルエットとなり、街角へと消えていった。
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