2013年7月13日土曜日

青・蒼・碧のシャウエン

モロッコも少しずつ終わりが見え始め、取り巻く周囲の景観も驚くほど青々したものに変わり、
オレンジの生い茂る木々の畑をかいくぐって、僕らは近づくヨーロッパに嬉しさ半分、寂しさ半分
といった気持ちで自転車を走らせていた。
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そんなある日、幹線から逸れること約8km、それもかなり傾斜のきつい山岳路へと寄り道をした。
切り立つように聳える山に抱かれた街の名前はシャウエン。
遠くから街を眺めると何の変哲もない、むしろモロッコにおいては都会的にもうつる街。
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けれどここは個性的な街の多いモロッコにおいても、ひときわ異彩の放つ場所であった。

新市街を抜けて、小さな門をくぐり旧市街へ入るとそこは青の街だった。
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狭い路地と階段、坂道が絶え間なく続く空間に商店が並ぶ。
旧市街の奥にある安宿に投宿し、この街で数日を過ごした。
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とりわけこの街が映えるのは朝だ。
朝の旧市街は日中、モロッコの強烈な日差しによって遮られてしまう
街の青が最も深く映えた。
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人気もまばらで、ともすれば無遊空間のようなこの世ではない場所を歩いているような気がしてくる。
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色が伝達する肌感覚というものは不思議なもので、気温計には現れないほんの少し
ひんやりとした空気があたりに流れた。
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一口に青といっても、手作り感満載の様々な色味の青が壁を彩っているのが良かった。
垂れたペンキが路地に流れていたり、雑な濃淡だったり、滲みがかった壁の塗り方が
モロッコ人だな、というのを感じさせて、なんだか人間味を感じる。
この空間が決して作られたものではなく、今を生きる人々の生活感が滲んでいるのが
そのアオから感じ取れたのが、よかったのかもしれない。
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太陽が昇ってだんだんと街の青が和らぐころ、街は活気を取り戻していく。
他の街と変わらぬ土産売り、アラビックで書かれたコーラの瓶、レストランから香る香辛料…
街並みを除けば普段と変わらないモロッコだ。
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でも朝だけは特別。
朝のシャウエンは異国モロッコにおいてさらに異国情緒を感じる不思議な場所。
オススメです。

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