2013年6月5日水曜日

餃子の次は何を食おう?

マラケシュでは一つ約束があった。
エクアドルの首都キトで出会い、新市街の餃子屋に足繁く通いつめたチャリ仲間というより
餃子仲間のようこ&ひろさんがマラケシュにいると連絡をもらっていたのだ。
彼らはニュージーランド走行後にモロッコにやってきたのだが、
飛行機トラブルなのか自転車屋のメカニックの腕が悪かったのか、
ひろさんの後輪の調子がおかしいとのことで立ち往生していたのだった。

そんな連絡を僕らの所属するチャリダー連絡網で知り、それなら僕が修理しましょうか?
ということでこの街で落ち合うことになっていたのだ。
二人によるとモロッコのチャリ屋事情は絶望的だそうで、
やむを得ず通販でパーツを購入し、届いたそれを僕が組み立てる手筈になっていた。
思えばこの1年9ヶ月、人の世話になりっぱなしだったから、多少なりとはいえ、
こうやって僕が何かの役に立てそう、あるいは頼られるというものはなかなかいいものだ。
それが自分の知っている人たちならば、なおのこと。
また、そうやって困難に陥った時に、状況を打開出来る人が現れるということは
偶然のようで案外必然だと思うので、僕は二人の旅が続けられるよう
自分に出来ることを全力を尽くしたいと思う。

でも、まずはアレを言ってから…
アレというのはこの後説明するので少しお待ちいただきたい。

さて、マラケシュの中心フナ広場に程近い路地裏に入ったところに二人の投宿するホテルがあると
聞いていたのだが、迷路のような細路地は一向に僕を目的地へと導いてくれない。
いたるところに宿の客引きがいて、何がなんでも客引きを使わず宿に行ってやる!
と意気込んでいたのだが同じ場所を二往復、三往復とするうちに僕は白旗をあげた。

すみません、参りました。ホテルイムーザはどこですか?

客引きに連れられると、僅か30秒でホテルに着いた。
こんなに近くなのに、悔しい!と思ったがまずは勝負一発目はモロッコの勝ちということで
潔くチップを渡した。

ホテルのレセプションで受付をした後に、先に部屋に荷物を運び入れる。
中庭に自転車を運ぶと、懐かしい二人の自転車も置いてあった。

一段落して、彼らの部屋をノックすると、寝ぼけ眼のひろさんが僕を迎えてくれた。
奥にはようこさんもいて変わりなさそうだ。
ふたりともモロッコにきて風邪をひいてしまい、おまけに自転車トラブルということで
心身ともにお疲れのようだった。

久々の再会と無事を喜ぶ僕ら。
だが、僕には言っておかないアレがある。
そう、アレとは…

『ヒロさん、ようこさん、僕ねぇ、僕、二人に勧められてアウストラル街道行きましたよ。
行って景色は綺麗だったんですけどね、
でもね、あんなアップダウンがきついなんて思ってませんでしたよ!』

彼らに教えてもらったチリ南部のアウストラル街道。
アウストラルの苦しみはこちらをご参照下さい。

ははは、と笑う二人。

いやいや、冗談じゃない、僕はフラットな道が続いて風光明媚な景色が続くのんびり自転車道だと
思っていたのだから。
再会間もなくアウストラルの苦労話を延々これでもかと話す僕。
でも、ひとしきり話し終えた所で二人が笑顔で揃って僕に言うのだ、
『まぁ、でも、楽しかったでしょ?』と
ちっきしょー。
認めたくはないが…
はい、なんだかんだ楽しかったです、はい。

こんなかんじで部屋の前で延々と話が続く。
さすがにお腹がすいてきたのでヒロさんが
『よしタジンと羊の肉でも食べに行こう。
夜は羊の脳みそが待ってるよ!』と。

エクアドル餃子部改め、モロッコ珍味部始動です。

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