カメラを失ったその日の午後は、強い西風の日だった。
道路は再びアスファルトに合流したものの、風のせいでダート以上にスピードが出ない。
時速10kmを切るスピードに走行を辞めにしようと、枯川の橋の下にキャンプをしようとすると
見た目に反してかなり深い泥にはまった。
道路脇に現れたキャンプにおあつらえ向きの小屋で今度こそ今日はここで!
と思ったら今度はバイカーに鉢合わせしてしまった。
ほとんど、襲われる心配はなさそうだけれど、それでも少しでも不安は消しておきたいもの。
そうこう野営地を吟味していたら結局、アルゼンチン国境までやってきてしまった。
ちなみに幹線を外れてチリ国境へと向かう道路はご覧のとおりのダート。
なんだかなぁ。。。
国境職員に、出国は明日にして今日はキャンプさせてほしいと頼むと、すんなりと隣りの建物に通してくれた。
昔の国境事務所だろうか。
窓は取り払われていて、隙間風が吹くものの壁と屋根があるだけで有難い。
テントを張り終えると、西風が雨雲を運んできた。
モトミくんは今日、カラファテを出ると言っていたが大丈夫だろうか。
翌日も空模様は回復せず、シトシトと降る雨の中を走りだし、チリへ向かう。
30分ほどでチリのイミグレへ。
アタカマで初めてチリに入って、かれこれ4回目の入国。
そして道はまたもやアスファルトへと切り替わる。
セロカスティージョというカレテラアウストラル上の街と同名のこの街は、パイネ国立公園の最寄りの街。
天気が良ければパイネの山々の眺望がひらけるそうだが、今日はそうも行かず、
そそくさと入国手続をするだけだった。
喉が渇いたので飲み物を買おうと街唯一らしきカフェへ。
ちょうどチリペソも切れていたので、アルゼンチン・ペソを両替して飲み物を買おうとした。
100アルゼンチンペソ(20$相当)で公定レートで10000チリペソ程度。
こんなところだし、8000ペソくらいになればいいかと思ったら、渡されたお金を見てびっくり。
5500ペソしかなかった。
今アルゼンチンでは闇両替が主流なほど通貨の信頼度が低く、かつこんな田舎町なことだったため
両替したら半値近くに叩かれてしまった。。。
そして、このお金で飲み物は2500(5$)ペソもした。。。
両替ショックもあって感覚的には1,000円くらいの飲み物を飲んでる気分。
ちなみになぜこんなことになったかというと、カラファテにいた頃これからチリを北上するというカップルに出会った。
彼らはチリペソをほとんど持っていなかった。
このブログを読んでくださっている奇特な読者の方はご存知の通り、
カレテラアウストラルで使えるATMはコジャイケまでない。
彼らにカレテラアウストラルを楽しんでもらいたいという思いで
僕は自分のチリペソをアルゼンチンペソに交換していたのだ。
決して、彼らが悪いわけではなく、彼らに対して見栄を張った僕が悪いだけである。。。。
とまぁ、そんな顛末もあっての両替ショックを引きずりつつ、60km先のプエルト・ナタレスを目指した。
冷涼な気候のこの辺りでは羊の放牧も盛んだ。パタゴニアンウールは結構有名らしい。
チリの道路は相変わらずのアップダウン続き。
これが今の精神状態にいいわけもなく、体力の消費が激しい。
それでもアルゼンチンと違って、チリのいいところは屋根付きのバス停が数km置きにあること。
雨もしのげて、ゆっくりと休むことが出来る。
といっても休みすぎると体が冷えてしまうので休憩もそこそこに走りだす。
遠くに海が見えるようになった頃、プエルト・ナタレスに到着した。
到着したとは言っても、街は広範でさらに街の入口から道路工事のため大きく迂回させられ
結局、1時間近く走らされた。
こいつは幻獣ミロドン。近くの洞窟で骨が発見された巨大ナマケモノで体長4mになるそう。
プエルト・ナタレスは、プエルトモンから出る氷河遊覧船の終着点であり、
パタゴニアのハイライトの一つパイネ国立公園のゲートシティである。
地理上の観点からたまたまそうなっただけであって、
この街からそれを取ってしまえば他には何もない静かな街だ。
でも、潮風に晒されて朽ち褪せた木造建築の叙情感や
少しダサめのパステルカラーの色使いの町は
アルゼンチンよりも僕は好きだ。
セントロ周辺は小洒落た木造建築も目立つけれど、一本通りを外れれば
僕がずっと旅してきたチリの素顔が顔を覗かせる。
上手く表現できないけれど、何となくその延長線上ある暮らしが想像出来るような。
きっとこんな寒い雨の日は、カンカンに薪ストーブを焚いて、それを囲んでいるんだろうな、とか。
投宿した宿はお世辞も綺麗とは言えない宿だった。
けれど、宿の親父は何かと僕に気をかけてくれる。
世間話だったり、こっちのほうが暖かいぞと呼んでくれたり。
台所で何かし始めたかと思ったら、まぁ食べろよと昼飯を作ってくれたり。
やっぱりチリのオスペダへは、心に染みてくる何かがあって好きだ。
さて、ここを拠点にしばしパイネ国立公園へトレッキングに行ってこようと思う。
チレアンパタゴニアの目玉だけあってかなり楽しみにしていた場所だ。
楽しんでこようと思う。
道路は再びアスファルトに合流したものの、風のせいでダート以上にスピードが出ない。
時速10kmを切るスピードに走行を辞めにしようと、枯川の橋の下にキャンプをしようとすると
見た目に反してかなり深い泥にはまった。
道路脇に現れたキャンプにおあつらえ向きの小屋で今度こそ今日はここで!
と思ったら今度はバイカーに鉢合わせしてしまった。
ほとんど、襲われる心配はなさそうだけれど、それでも少しでも不安は消しておきたいもの。
そうこう野営地を吟味していたら結局、アルゼンチン国境までやってきてしまった。
ちなみに幹線を外れてチリ国境へと向かう道路はご覧のとおりのダート。
なんだかなぁ。。。
国境職員に、出国は明日にして今日はキャンプさせてほしいと頼むと、すんなりと隣りの建物に通してくれた。
昔の国境事務所だろうか。
窓は取り払われていて、隙間風が吹くものの壁と屋根があるだけで有難い。
テントを張り終えると、西風が雨雲を運んできた。
モトミくんは今日、カラファテを出ると言っていたが大丈夫だろうか。
翌日も空模様は回復せず、シトシトと降る雨の中を走りだし、チリへ向かう。
30分ほどでチリのイミグレへ。
アタカマで初めてチリに入って、かれこれ4回目の入国。
そして道はまたもやアスファルトへと切り替わる。
セロカスティージョというカレテラアウストラル上の街と同名のこの街は、パイネ国立公園の最寄りの街。
天気が良ければパイネの山々の眺望がひらけるそうだが、今日はそうも行かず、
そそくさと入国手続をするだけだった。
喉が渇いたので飲み物を買おうと街唯一らしきカフェへ。
ちょうどチリペソも切れていたので、アルゼンチン・ペソを両替して飲み物を買おうとした。
100アルゼンチンペソ(20$相当)で公定レートで10000チリペソ程度。
こんなところだし、8000ペソくらいになればいいかと思ったら、渡されたお金を見てびっくり。
5500ペソしかなかった。
今アルゼンチンでは闇両替が主流なほど通貨の信頼度が低く、かつこんな田舎町なことだったため
両替したら半値近くに叩かれてしまった。。。
そして、このお金で飲み物は2500(5$)ペソもした。。。
両替ショックもあって感覚的には1,000円くらいの飲み物を飲んでる気分。
ちなみになぜこんなことになったかというと、カラファテにいた頃これからチリを北上するというカップルに出会った。
彼らはチリペソをほとんど持っていなかった。
このブログを読んでくださっている奇特な読者の方はご存知の通り、
カレテラアウストラルで使えるATMはコジャイケまでない。
彼らにカレテラアウストラルを楽しんでもらいたいという思いで
僕は自分のチリペソをアルゼンチンペソに交換していたのだ。
決して、彼らが悪いわけではなく、彼らに対して見栄を張った僕が悪いだけである。。。。
とまぁ、そんな顛末もあっての両替ショックを引きずりつつ、60km先のプエルト・ナタレスを目指した。
冷涼な気候のこの辺りでは羊の放牧も盛んだ。パタゴニアンウールは結構有名らしい。
チリの道路は相変わらずのアップダウン続き。
これが今の精神状態にいいわけもなく、体力の消費が激しい。
それでもアルゼンチンと違って、チリのいいところは屋根付きのバス停が数km置きにあること。
雨もしのげて、ゆっくりと休むことが出来る。
といっても休みすぎると体が冷えてしまうので休憩もそこそこに走りだす。
遠くに海が見えるようになった頃、プエルト・ナタレスに到着した。
到着したとは言っても、街は広範でさらに街の入口から道路工事のため大きく迂回させられ
結局、1時間近く走らされた。
こいつは幻獣ミロドン。近くの洞窟で骨が発見された巨大ナマケモノで体長4mになるそう。
プエルト・ナタレスは、プエルトモンから出る氷河遊覧船の終着点であり、
パタゴニアのハイライトの一つパイネ国立公園のゲートシティである。
地理上の観点からたまたまそうなっただけであって、
この街からそれを取ってしまえば他には何もない静かな街だ。
でも、潮風に晒されて朽ち褪せた木造建築の叙情感や
少しダサめのパステルカラーの色使いの町は
アルゼンチンよりも僕は好きだ。
セントロ周辺は小洒落た木造建築も目立つけれど、一本通りを外れれば
僕がずっと旅してきたチリの素顔が顔を覗かせる。
上手く表現できないけれど、何となくその延長線上ある暮らしが想像出来るような。
きっとこんな寒い雨の日は、カンカンに薪ストーブを焚いて、それを囲んでいるんだろうな、とか。
投宿した宿はお世辞も綺麗とは言えない宿だった。
けれど、宿の親父は何かと僕に気をかけてくれる。
世間話だったり、こっちのほうが暖かいぞと呼んでくれたり。
台所で何かし始めたかと思ったら、まぁ食べろよと昼飯を作ってくれたり。
やっぱりチリのオスペダへは、心に染みてくる何かがあって好きだ。
さて、ここを拠点にしばしパイネ国立公園へトレッキングに行ってこようと思う。
チレアンパタゴニアの目玉だけあってかなり楽しみにしていた場所だ。
楽しんでこようと思う。
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