さて、リマ経由でサンティアゴに戻った僕は、再びゆっくりと過ごした。
ようやくセントロにも散歩に出かけたし、
宿に泊まっていた人に案内してあげるという名目で結局モールスポーツにも3回も行った 笑
イースター島で窮屈に感じた時間も、近くに愛車がいるだけで安心できる。
これで飽きたらいつでも出発できる。そういう意味で自転車旅行は限りなく気楽だと改めて思う。
そうして数日後、僕はパタゴニアに向けて走りだした。
パタゴニアとは南位40°付近を流れるコロラド川以南のエリアを差す総称。
チリ側を南下する僕はチリ側パタゴニア北部の中心地プコンを目指した。
道中約850kmほど街は続くがこれといって観光の目玉になるようなところはなく、
景色も代わり映えしない。
だから欧州のサイクリストはこの区間バスで飛ばす人も多い。
自走にこだわる僕は、ひたすら高速道路を使って南下。
これがもう苦行だった。
…
…
…
景色変わんね。
毎日毎日120km以上、多い時は150km以上走ってるのにあまり代わり映えのしない単調な景色が続く。
高速移動を目的につくられているのが高速道路だから、なるべく平坦な真っ直ぐな道を作るのは当然か。
ちょっと森が増えてきたか…?
で、この辺になると、花粉がすごい。
僕はスギ花粉は大丈夫なんだけど、イネ科の花粉に弱い。
だから日本でも花粉のピークが過ぎた5月頃から一人季節外れの花粉症に苦しんでいた。
どうやらこのあたりもイネ科の植物が多い模様で、涙を流しながらのランとなった。
そして道中、唯一の見所と言ってもいいラハの滝。
通り道なのでついでに寄っただけだが、こいつは案外よかった。
ゴゴゴっと滝が地面に叩きつける音もなかなか迫力もあったし。この暑い中見る滝は見た目にも涼しい。
聞いた話だと、雨季にはもっと水流が増えて大迫力なんだとか。
無料で立ち寄れるところだし、穴場スポットです。
お近くをお通りの際はゼヒ。
そうして今が何日目か記憶も曖昧になるぐらい高速道路をひた走った。
一切高速道路から下りていない。
では道中、どうしていたかと言うと。
高速道に点在しているガソリンスタンドでキャンプをしていた。
大体、大きな街の入口と出口に売店と軽食を兼ねたガソリンスタンドがあってそこで夜を明かした。
スタンドの店員も慣れた様子で、あそこにテント張っていいよと即答である。
もともとトラックなんかの長距離ドライバーのための休憩スポットでもあるので、
車のエンジン音さえ気にならなければ、かなり快適に過ごせる。
チリにはコペック、テルペル、ペトロブラスというガソリンスタンドが大手のようで
順に業界シェアと設備も良い(個人的な体感です)
だから面白いもので特の大きな街の出入り口はがっちり最大手のコペックが出店しているし、
2番手のテルペル、ペトロブラスは中規模の街や、街も無いようなところにお店があった。
コペックに立ち向かうには、こうして微妙な場所で立ち向かっていくしかないらしい。
最大手コペックの実力は折り紙付きで、Wi-Fiはもちろん、なんとホットシャワーまであった。
ホットシャワーは1$かかるんだけど、ほとんどタダみたいなもの。
毎日のスケジュールとして
6:00 起床&朝食
7:30 出発
17:00走行終了 テントの許可を取る
21:00夕食&店内で寛ぐ
22:00就寝
といったサイクルで過ごしていた。
それにコペックはケータイでコペックアプリなるものを出していて、設備を調べれので
それを使って次のシャワー設備のあるコペックまで毎日走っていた。
もちろんコペックまで辿りつけず、2番手のテルペルで一晩過ごしたこともあったが、
シャワーはないにせよネットも使えたし、水にだって困らなかった。
切り詰めればほとんどお金を使わず、毎日移動することだって可能だ。
僕はキャンプのお礼に一応何かしらの食事やお菓子を買ったりしていたけど。
それでも生活費は一日1000円以下。
バス代宿代が高いといわれるチリ・アルゼンチンでおいて
自転車移動の価値を見いだせた気がする 笑
といっても、高速道路生活は本当に退屈でこれ以外に楽しみがないくらい。
楽しみがない中での走行ほど精神的にきつい走行はないものだ。
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