ここはワインの名産地としても名高く、赤のメンドーサに対し白のカファジャテなんだそう。
なので適当に近郊にあるワイナリーを回って試飲をしたりしてほろ酔い加減でのんびりと過ごした。
ワイナリーは行った時間が悪かったのか、特に説明もなく勝手に見学していってくださいといったスタイル。
まぁ、タダ酒飲みに来てるようなもんだから、逆にそっちの方がいいんだけどね。
それからアルゼンチン牛。牛肉大国のアルゼンチンは肉が安くてウマい。
ちょうど肉屋に部位の説明があったので、これを覚えて牛肉ライフを充実させよう。
予定通り2泊した次の日に出発。
泊まっていた宿は朝食付きだった。
朝食付といっても、コーヒーとヨーグルトに5cmくらいのパンが2切れ。
アルゼンチンの朝食はひどいもんだと聞いてはいたが、ほんとにあんまりな内容。
でも、ないよりはマシなので有り難くいただく。
肉食のアルゼンチンにあって、他の中南米諸国よりもスタイルのいい人が多いのは朝をあまり食べないからか??
カファジャテの郊外は来た時と同じくぶどう畑が延々と続く。
背後に巨大なアンデスの山塊が連なる景色は圧巻。
それでいて街道沿いには背の高い並木通りになっていて、こもれ日が優しく差し込む。
気温も程よくマイルド。
サイクリング日和だと気持ちまで乗ってきた。
ところがそれに水を指すようにギアのかかりが悪くなりだした。
オイオイオイと思ったがとりあえずそのままで走る。
ところが、そうも言ってられないほど酷くなってきて、しまいにはチェーンが知恵の輪のように複雑にこんがらがった。
なんでまた急に?
やむを得ず自転車を路肩に寄せてチェーンを直す。
ギアの方はワイヤーが伸びてきたのかな?と思って面倒ながらもプライヤーと六角レンチを取り出す。
通常であれば、ワイヤーの微妙な張りの調整は、工具を使わず調整できるのだが
僕の自転車は、その調整機構がついていなくシビアな調整が必要になる。
なるだけやりたくない作業の一つだ。
こんなもんでいいかと適当に調整。
しかし、またチェーンが外れる。
調整不足か…
と再び同じ作業を繰り返すもまた同じ結果。
500m走るごとに、こんなことを繰り返すので一向に進まない。
どうやら、ギアじゃないところに問題ありか…?
ううむ、と考えてみると一つ心当たりが。
プーリーか!
プーリーとは後ろのギアについている滑車のことでこの部分が左右に動くことで
ギアチェンジをする。
この間ウユニで自転車を清掃した時にかなり磨り減って丸くなりかけているのに気づいていた。
そしてこれまで一度も変えていない。
もしかしてプーリーの劣化でチェーンと噛み合わなくなっている?
ほとんど、確証に近かった。
そして予備のプーリーも幸いにも持っていた。
ただ、めったに交換しないパーツなのでカバンの奥底に仕舞っている。
出すの?めんどくさっ。
とはいえ背に腹は変えられない。
路肩で荷物を全部ひっくり返し、奥底のプーリーを取り出す。
そして交換。
新品と使用品を比べるとこの通り。
差は歴然。
プーリーを取り替え再び走りだしてみると、調子はバッチリ。
チェーンの外れはなくなった。
しかしなあ、よりによってこんなところで急にダメになるなよ。
手が真っ黒じゃん。
と思ったがすぐに前言撤回。
もう少し前だったらもっととんでもない場所で故障して途方に暮れていたかもしれない。
ここまでよく持ってくれたと思い直すことに。
しかし、プラスチックの部品一つでこの自重を含め100kg超の荷物をよくここまで運んでくれたなと感心する。
調子を取り戻した自転車でこの日は予定通りサンタマリアまで。
途中途中の村が可愛らしく、人々の愛想も良くて気持ちいい一日だった。
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