いよいよボリビア名物コルゲーションロードが始まった。
オルロを出て二日目の朝、ワリという小さな街を過ぎるとウユニの街とチリ方面への分岐に差し掛かった。
ボリビアのハイライトであるウユニ塩湖を縦断するために、僕はチリ方面に曲がった。
しばらくは建設途中の舗装路が続いていたものの途中のキジャカスの集落を過ぎると路面は一変した。
噂に名高いコルゲーションロードだった。
コルゲーションとは車が未舗装の道を通過することで出来る50cm刻みの洗濯板状の畝のことで
これが自転車で走る上で天敵中の天敵である。
当然のようにスピードは出せす、手やおしりには常に強い振動がかかる。
振動は体だけでなく、荷物にも、とくに重い荷物を載せているリアキャリアに負担がかかる。
スピードを出せば出した分だけその振動は強くなるので、慎重になるだけ凹凸の少ない(ように見える)道を選んで走った。
そしてこの道、ストライキの類か何かかか本線には砂山が盛られ完全に進路を絶っていた。
一つ越えても300m程先にまた砂山が。
延々とこの山が行く手に立ちはだかった。
それをまるでスーパーマリオで障害物を越えていくかのように自転車で山の低いところに突っ込んで越えていく。
これが案外楽しい。
車は当然この砂山は通れないので道路の脇を無理やり走って、いつしかその轍がメイン道路に変わる道になっていた。
砂山越えにも飽きたところで脇の轍を走ってみた。
が、砂が多すぎて走れたものじゃなかった。
仕方なくコルゲーションと砂山の道に戻った。
まったく、こんな砂山を盛る労力があるんなら、道を舗装しろよ!なんて毒づいたりしたが
心持ちは実はワクワクしていた。
悪路ぶりも、あのトルヒーヨへの道に比べれば遥かにマシで気持ちに余裕があったし、
このボリビアの悪路を走り切ることでやっと一端の自転車乗りになれるような気がするからだ。
それに僕と同じようにここを進んだ自転車乗りがいるのだろう。
砂山には細い自転車のタイヤ跡があった。
タイヤ跡だけでは顔も国籍も誰かも分からないけれど、同じようにしてウユニに向かっている人がいると分かるだけで
パワーを分けて貰える。
僕の轍も後に来る人達のちょっとした支えになれば嬉しいな。
これが先輩方を苦しめたコルゲーションね~なんて思いつつ、ガタガタと自転車を揺らして進んだ。
明日には憧れのウユニ塩湖入りだ。
どうせ周りに人なんて誰もいないしと、道路脇にテントを張った夜、空には幾筋の流れ星がきらめいた。
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