プーノの宿は大型スーパーが近くにあり、あてがわれた部屋は久しぶりにネットの電波が強力だった。
これは、スーパーで食材を買い込んで引きこもり生活かぁ!?なんて思っていると
何やら部屋の窓からただならぬ気配を感じた。
むむっと外に出てみると気配の主はモトミくんだった。
一足先にクスコを出た彼は一昨日プーノに着いたらしい。
僕と同じく電波の強い部屋をあてがわれた彼は、例に漏れずこの2日間一切観光をせず引きこもってたそう。
あれだな、強力なWi-Fi環境は旅行者をダメにするな。。
明日にはこの街を出てボリビアに向かうので、重い腰をあげて観光に出ようとした時に僕を発見したらしい。
少しつかれていたが、彼がチチカカ湖観光に行くというのでせっかくなので一緒に行く事に。
どっちにせよ行くつもりだったので一人よりはいいだろう。
宿の外でチャリタクを引っ掛け、港へ。
港でチケットを購入し乗船。
すぐに出ると言ってはいたが、どうやらコレクティーボ方式で人が集まり次第出航らしい。
しばし、船のデッキで昼寝。
30分もしたころ、ようやく出航。
船は揺れも少なく青のチチカカ湖を進んでいく。
ほどなくしてトトラの群生地帯と目的のウロス島が見えてきた。
トトラというのは浅い水面に生育する茎の太い多年草で
この辺では乾燥させたトトラを束にして、水面に積み上げて浮島を作っている。
その浮島の一つがウロス島というわけだ。
入り口には一丁前に料金所らしきものが。
ちなみに船に乗る際は船の代金の他に別途入島税のようなものを徴収されている。
そうして船はある一つの集落でエンジンを停めた。
ここで下船し、浮島上陸。
いったいどんな感覚の足場なのか気になっていた。
そおっと足を乗せる。
ふわん。
予想通りのような予想外のような感覚だった。
水面に作った足場なので安定感がないかといえば案外そうでもなく、しっかりしている。
けれど、思い切り踏み込めば踏み抜けてしまうんではないかというひ弱さも心なしある不思議な足場。
トトラの足場は水を吸って段々と腐ってしまうらしく定期的に足場を新しいトトラに入れ替えて行かなければならないそう。
実際、足場の悪いところに足を突っ込んで半分水没した観光客もいた。
水上で暮らすのも案外楽ではない。
島では、島民によるトトラの説明やここの歴史などのレクチャーを受ける。
もともとプーノ近郊に住んでいたウル族はスペイン人に土地を追われ、
このチチカカ湖に住むようになったのが始まりだそう。
説明会のあとは例によっておみやげ販売会。
トトラで出来たトトラ船も追加料金で乗れるそう。
島の親父がトトラ船をやたら薦めてくる。
お前ら帰りは次の船でいいだろう?乗れよ、と。
いや、いいよと断ると親父は激しく舌打ちをした。
おいおいそれはないだろう。
観光収入がこの島の主な生業であろうが、このトトラ船もオリジナルはもっと素朴な色だろうと思わせるくらい派手にペイントされている。
観光客を引き付けるために、観光客受けする演出を施しているようだが、少し方向がずれているような。
ここでの暮らしもいたるところでソーラーパネルや携帯電話が見られたように、いつまでも伝統的な暮らしをしているわけではないようだ。
この島に何を期待してくるかは、人それぞれだとは思うが言ってしまえばここは一種のアトラクション施設ではないかと思う。
船に乗って向かった次の島は完全に観光用。
レストランに土産物屋。
ここにトトラの浮島で暮らす人々の素を見つけることは不可能に近かった。
余談。
ウロス島から帰って来た夜は観光客向けのストリートにあるレストランで夕食を食べた。
美味しかったは美味しかったけど、お腹が満たされなかったので近くにあった串焼き屋台でアンティークーチョを一本食べた。
やっぱ、ウマイなー、さて帰るかとポケットに手をいれるとなにやらもの寂しい感覚。
そしてすぐに分かった。
サイフをとられた!
今、屋台でお金払ったばっかりなのに?!
いつ?どのタイミングで??
こればかりはあまりのテクニックに関心してしまうほど。
幸い、現金10000円程度でカードなどの貴重品は入っていなかった。
不幸中の幸い。
しかし、強盗に怯え入国したペルー。
何事もなく終えれるかと思ったらやっぱ油断しちゃあかんなぁ。
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