2012年8月18日土曜日

アンデスの心臓部

リマでの数日は慌ただしく過ぎた。
細々とした諸用だったり、コスタリカ以来の友人カップルと再会したり。
この辺で一息つきたいところだったけれど、僕はその勢いをそのままにワラス行きのバスチケットを買った。
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22時半発の夜行バスに揺られて8時間。

キンと張り詰めた空気に気付いて目を覚ますとそこはもうブランカ山群の麓ワラスだった。
寝ぼけていたせいもあり、バスを降りてすぐホテルの客引きについていったホテルは、可もなく不可もなくといった感じで、
とりわけ周りより少しだけ高い3階建てのこの建物からはワラスをぐるりと囲む山々が一望できた。
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このワラスの街はペルー最高峰ワスカランを始めとしたアンデストレッキングのメッカであり、乾季のこの時期はアンデアンサマーと呼ばれ世界各国からトレッカーが大挙してやってくる。
また近くには宗教都市として栄えたチャビン遺跡やアンデスの恵み温泉が湧き出ているなど旅行スポットには事欠かない。
当然僕もここにトレッキングをしにやってきた一人だ。

ホテルで一息ついた後、街を散策。
着いた早朝はかなり寒かったが、四六時中曇天のリマと違って、日中は眩しいくらいに太陽が照って暑いくらいだ。
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リマと比べればそれはもう完敗といっていいほど小さい街だが、山岳部特有の穏やかな空気が街に立ち込め、色鮮やかな民族衣装をまとったインディヘナのおばさんが目を引く。
一通りセントロ周辺をぶらついた後、スーパーに寄って食料を買い出し。
これから行くトレッキングルートは3泊4日程度かかるからだ。
旅行会社が集まるエリアで山の地図も入手できた。

宿に戻って地図を眺めつつネットとガイドブックで情報収集していると、僕の予定しているコースのサンタクルストレックには
ワスカラン国立公園の入園チケットが必要ということだった。

翌日。
チケットを販売している公園事務所がホテルの近くだったので、営業時刻と同時にチケットを買いに行ったのだが、ここで思いも寄らないことが発覚する。

『ガイドはつけたの?』
「いえ、一人です」
『ガイドか旅行代理店を通さないとチケットは販売できないよ』

えぇーまじすか。
これは盲点だった。

僕は別に値段を安く上げたくてソロがいいというわけではなく、高所登山でないトレッキングぐらいは自由に自分のペースで歩きたいと思ったからだ。

どうしようかと思ったが、ひとまず僕がこのワラスにくるきっかけとなる話をしてくれた夫婦チャリダーのようこさん、ひろさんに相談のメールをした。
確かお二人はガイドをつけずに歩いたと言っていたはずだ。

二人からの返事を待つ間、バスに乗って近くのチャビン・デ・ワンタル遺跡に行って見ることに。
近くといっても、この遺跡は街から見えるブランカ山群の向こう側でバスで3時間の道のり。
しかし、そのバスからの風景が素晴らしかった。

4000mを越える高地に広がるパンパとさらに高く聳える無数の山々。
雲はさらに上空高く、その動きは低地でみるものよりずっと早い。
バスという閉ざされた空間からでしかそれらを体感出来ないのは至極残念であったが
サンタクルストレックへの期待は高まるばかりだ。
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山道のピークに差し掛かり、無造作に削られたトンネルの向こうの山は雪をかぶっていた。

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普段乗り慣れていないため苦手なバス。
バス酔いを防ぐために、いつもなら車内では目を閉じてできる限り安静にしているのだが、
このときばかりはひたすら外の景色に心奪われていた。
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チャビン村に到着したのが午後2時。
帰りのバスが午後4時ということで見学時間はごくわずか。
遺跡本体と、遺跡の博物館が何故かそれぞれ反対側の村の入口に設置してありそれの移動もあってかなり慌ただしい見学となった。
まずは遺跡から。
プレ・インカ時代の宗教都市として栄えたそうだが、何せ駆け足で回ったもので詳しいことは分からないままで消化試合に近い。
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遺跡では何故かリマからきた学生たちに写真をせがまれた。
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続いて博物館。
なぜか入り口には手作りのチープな恐竜が。
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日本の援助で建てられたというこの博物館。
さすがというか入場料無料だった。
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山深いこの土地にあえて都市を築いたのは文明力を誇示するためだったとか。
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ここでタイムアップ。
大急ぎでバス停に戻り、ワラスへと帰った。

ワラスへ戻ると、ようこさん、ひろさんからメールの返事が来ており
お二人はチケットを公園事務所で購入できたとのこと。
むむ、ここ数年でガイド必須にルールが変わったのだろうか?
ただチケット提示を求められたのは、登山口のみだったというので、
ダメもとで、というか登山口で泣きついてお願いしてみることにしよう。
登山口までもワラスから数時間の距離なのでもし駄目だった場合一日が潰れてしまう。
うまくいく事を祈る。

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