2012年8月16日木曜日

野暮用と日本食

リマライフは他の大都市到着と同じようにまずは恒例となったアウトドアショップと自転車屋めぐりから始まる。
新市街のモールにはエクアドル資本のアウトドアショップTattooがあるという情報を得ていたので行ってみるも
残念過ぎる品揃えでがっくり。
一応、ペルーの首都には出しておかなきゃねといった程度で心惹かれるものはほとんどなかった。
エクアドル地方都市のクエンカにすら劣る品揃えだった。

このモールには南米に入って初のスターバックス・コーヒーがあったので思わず飛び込む。
店内には懐かしいコーヒーの香り。
奮発してシナモンロールまで頼んで一時のシティライフに花を添える。
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あぁ贅沢だ。
山岳路と砂漠走行で疲れきった心身にたっぷりと都会の糖分を摂取する。

一通りモールを見て回った後は自転車屋を探す。
この近くにあるということだったが、なかなか見つからず教えられたのはレンタサイクル屋だったり、やっと見つけたお店も品揃えとしては微妙なかんじだった。
それでもそこの自転車屋に他の自転車屋を紹介してもらって、行ってみるとそこはまぁまぁ小物が揃っていたので
オイルとブレーキシューを購入。
一緒に行ったサヌキくん、モトミくんも各々目的のものを買えたようだ。

いったん宿に戻って、夜は二人がリマに来る途中知り合ったペルー人が食事をご馳走してくれるということだったので
楽しみにしていると、肝心のペルー人のおじさんがどこかに遊びに行ってしまったらしく、食事はお流れに。
予定を変更して、リマの目抜き通りのひとつレパブリカ通りにある日本食レストランに行く事になった。
『富士』と書かれたネオン管は遠くからでもはっきり分かり、店先には警備員が立ち一見しただけでもお高いお店であることは分かったが、そこは中南米各国のあらゆる日本食レストランに顔を出している僕ら、そんなことではひるまない。
店内に入り、渡されたメニューはやはりそれなりのプライスであったが、ラーメンにご飯餃子がつく定食メニューが手頃だったのでそれを頼む。
待つこと数分。
来た。
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煮玉子、チャーシューが入った本格派だった。

こういったレストランでラーメンを頼むのはコスタリカのモンテベルデ自然保護区以来。
ブラジルで修行したというそのレストランのシェフが作ってくれたラーメンは見事にインスタントラーメンであった…。

今回のラーメンは日本人シェフが作る、紛れも無い本物のラーメン。
魚介から出汁をとったであろうその香りからすでに本格派の雰囲気が立ち込めている。
一口、スープが絡んだ麺をすすった瞬間、それは紛れも無い確信に変わった。

『う、うめぇ…』

こうなると、今度はどれから食べるかが問題だ。
先にチャーシューを食べてしまうか、ご飯はスープで食べるか餃子で食べるのか…
贅沢な悩みである。

三人とも一心不乱にそして噛み締めるようにそれぞれの定食を食べていた。

食後、レストランのオーナーが声を掛けてきた。
リマでも敷居の高いであろうこのレストランに、明らかに不釣り合いな格好の三人がやってきたのだから興味をもつのは当然といえば当然か。
簡単に僕らの旅のことを話、反対にこのレストランについて話たりしてくれた。
最後には、オーナーのご好意でメロンをサービスしてもらったのだがこれがまた美味かった。
聞けば、メルカドで特別に売ってもらっているメロンだそうで、ひんやりとした冷たさ、食べやすいように皮と実のところに入れられた包丁、とても上品な味だった。
すっかり気分をよくした僕ら。
帰り道の街道沿いをくだらないことを言い合い、ゲラゲラと品のない笑い声をあげながら帰途に着いた。

翌日以降も野暮用は続く。
あと数泊したら敗退したワラスへバス旅行に行こうと思っているので、出発前に用事は片付けておきたい。

まずは自転車のメンテナンス。
泥ダートや砂漠を走ってきたので、汚れが過去最悪なほどだった。
玄関先にあるホースを借りて入念に汚れを落とす。
そのあとは自転車のチェーン交換。
交換はメキシコのアグアスカリエンテス以来だった。
恐らくこの交換で南米は乗りきれるはず。
その他、前後ブレーキシューの交換、南米に入り早々に壊れ特注で作ってもらったブレーキハンガーの交換を行い
目の前に迫ったナスカ~クスコのスーパーアンデス越えの対策を施す。

またペルーに入って以降野犬の凶暴性が増し、数日前にカバンに食いつかれたこともあり、狂犬病の予防接種を受けることに。
発病したら最後致死率99%のこの病気、予防接種を受けておくだけでも多少の気休めにはなるだろうということで。
最も予防接種を受けていても、完全には予防できず結局噛まれたらワクチンを打たなければならないのだけれど。
そして予防接種自体もちょっとややこしく、計3回一定の間隔で打たないといけない。
なので今回とワラスから戻ってきた後、そして一月後に到着するであろうクスコで予防接種をうつ計画を立てた。

教えてもらった病院はかなり巨大かつ綺麗な病院だった。
はっきりいって僕が日本の時かかりつけで通っていた某旧国立病院が完敗するレベル。
私立病院とのことだが、患者も白人の人ばかりで、待合室にはフリーのWi-Fiが飛び、給湯器とコーヒーマシーンが備え付けられていた。
ここでも大都市リマの力をまざまざと見せつけられた。

予防接種自体はものの数分で済み、体を安静にさせるべく向かった先は、
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日秘会館。
ここは在ペルーの日本人会館。ちょうど病院の向かいにあったので、休憩がてら見学。
会館の上階にある図書館ではマンガが読めるということもあり、ついつい長居…
日系移民の歴史を紹介した博物館もあり。
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ペルーの日系移民の歴史を少し勉強…
戦争中ペルーの日系移民は強制的に土地を没収されてしまい、戦後その代わりの土地が譲渡された場所に今の日秘会館が立ったそうだ。
僕の通ってきたペルーの各都市それぞれに移民会のようなものが形成されていたそう。
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館内併設のレストランでトンカツも食べたり、ここだけで一日過ごせます。

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