2012年8月24日金曜日

サンタクルストレック 3日目

三日目の朝を迎えても、空模様は相変わらずの雨。
大岩のおかげで雨の直撃は免れたが、滴る雫や風で流れた雨粒と泥でテントはまぁまぁビシャビシャ。
逆に気温は雨のおかげか標高の割に極端には冷え込まず、こちらの意味では助かった。

朝は温かいスープでもといきたいところだが、昨日ストーブが壊れたので仕方なくビスケットで朝ご飯を済ます。
泥のついたテントをザックに押し込み、本日も行動開始。
このあたりからなら恐らく昼過ぎには下山出来る目算だ。

s-DSC07522
左手に深く切り立った谷を見ながら、少しずつその谷に向けて標高を下げていく。
s-DSC01960
s-DSC01961
1時間ほどで下まで下りきってパリアのキャンプ場に到着。
s-DSC01962
このくらいの頃には雲にも切れ間が入るようになり、そのすき間から一瞬、万年雪を蓄えた山脈群が見えた。
s-DSC01963
あれはパロン山だろうか?
今回のトレッキングで初めてまともにブランカ山群の頂を望むことができた。
その時、体がゾクゾクと興奮をおぼえた。
あの頂から見下ろす景色はどんな景色だろう?

興奮を抑えつつ、先へ。
パリアを過ぎると一転して、コスタリカの熱帯雲霧林のような着床植物が目立つ苔むす森に。
s-DSC01965

s-DSC01966
曇り空がより雰囲気を演出して、まるで僕のイメージする戯曲“魔王”で父子が魔王から逃げている森のようなところ。
s-DSC01967
s-DSC01968
しかしサンタクルストレック、まさしく山あり谷ありおまけに川あり森ありで本当にバラエティに富んだコースだ。
これで晴れて眺望もきけば文句なしだっただろうに…。

トレイルは再びパンパ地帯へ。
s-DSC01969
その先にウアリパンパのキャンプ場が。
s-DSC07526
パリアのキャンプ場もそうだったがこのウアリパンパのキャンプ場でも一人のハイカーも見かけず。
シーズン時の今の時期に誰にも会わないってことは昨日のここらは相当に天候が悪かったのだろうか?

ウアリパンパのすぐ先に公園事務所があり、そこで下山手続き。
s-DSC01972
てっきり終着点のバケリアまでトレイルは続くのかと思ったが、地図も示すようにワスカラン国立公園の敷地はこの辺で
終わり、あとは集落の生活路を通ってコレクティーボの通るバケリアを目指すようだ。
s-DSC01973
そこそこ人口もいそうなウアリパンパの集落。
電気も通っているようだったが、車の通れる道はなく物資は未だにロバ頼み?なようだった。

そしてバケリアへ向かう最後の登り。
s-DSC01974
三日間の疲れ、後半ちゃんとした食事をとれていないせいで最後が一番きつかった。
2度3度休憩を重ね、バケリア手前でコレクティーボを発見。

3日間のトレッキングに幕を告げた。

正直なところ、景色は楽しみきれず道具の故障も続いて2日目以降は歩ききるための逆算ばかりしていて
楽しめたかというと疑問符がつくが、それでも歩ききった安堵感というものは何者にも勝る快感だ。

帰りのコレクティーボはこれまででも最上級のボコボコのダート道を唸りをあげて登っていった。
時々岩を乗り上げた衝撃で僕の頭が車の屋根に突っ込むほど。
そこから見える景色はチャビン遺跡への道にも勝る風景。
s-DSC01979
峠の先には、足元にヤンガヌコ湖を正面にペルー最高峰ワスカランを捉えた。
s-DSC01985
s-DSC01984
悔しいが、景色という面ではこのトレッキング中一番ゾクゾクワクワクした瞬間だった。

タイミングといってしまえばそれまでかもしれないが、いつか今度は晴れのサンタクルスを歩きたい。
そしてブランカ山群の高峰にも挑戦したい。

山は逃げないから、それを実現するもしないも僕の気持ち一つなのだと思う。
いつか、また。

0 件のコメント:

コメントを投稿