2012年7月10日火曜日

皇帝の愛した温泉、僕も愛した温泉

カハマルカに到着したその日、僕はセントロのアルマス広場に面した一泊15ソルおよそ450円のホテルに自転車を押しこんで、すぐ裏から出ているコレクティーボに乗り込んだ。
行き先はInka del banos。
カハマルカから約7kmほど東に行ったところにインカの温泉と名付けられた温泉施設がある。
ここはインカ最後の皇帝アタワルパも足繁く通った名湯で、彼はこの地で温泉に入っているときにスペイン軍に捉えられてしまう。
彼に因んで、街から温泉へ抜ける一本道はアタワルパAv。

20分ほどで到着。
カハマルカを出ると一瞬のどかな牧草地が復活したのだけど、このインカ温泉の周辺はレストランやホテルが並び以下にも観光地然としていた。
入り口を見つけてでチケットを購入。
温泉にはいくつか種類があって2ソル~20ソルまで様々。
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無難そうな5ソルの温泉をチョイスし園内へ。

園内に入るとちょうど両サイドに個室風呂がずらーっと並ぶ。
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さながら一大温泉テーマパークの様相だ。

僕の選んだImperial(皇帝)温泉の建物を発見し、近くにいたセニョールにチケットを提示する。
するとちょっと待ってろと言われる。
周りを見ると皆、順番待ちで待っているようだった。
僕の番号札は111番。
縁起のいい数字だけど、いまお風呂に入っている人達はどうやら90番台。
どのぐらい待つのだろうと思いながら、僕に興味を示して話しかけてくれた女の子としばし談笑。
彼女はリマから来たそうだ。
はるか遠いクスコから足を運んだアタワルパといい、この女の子といいこの温泉はちょっと期待できそうだ。

海外の温泉と言えばこれまで散々がっかりさせられてきた。
たいていどこも温水プールのような施設で情緒はまるでなし、それに日本人好みの熱い湯温はほぼ皆無であった。
エクアドルにもBanosという一大観光温泉があるのだが、ここも似たような感じという話を聞いて行くのをやめていた。
そんな海外の温泉の中で唯一満足できたのがグアテマラのアティトラン湖湖畔にあるエル・ソルだけだった。
まぁ、しかしあそこは日本人経営の宿。
果たして、完全に現地人によって運営されるここの温泉は満足できるクオリティなのだろうかと少しドキドキしつつ順番を待った。

間に20組近い番号の差があったにも関わらず、皆順番待ちの間にどこかに行ってしまっているらしく、次々に番号が飛ばされ僕の番号は思ったよりも早く呼ばれた。
『107、108、109、110、111番』
「はいはーい、ここにいまーす!」
おじさんにチケットの半券を渡して入室。

室内は脱衣所はあるものの、シャワーなどはなく目の前に深くて広い浴槽がドン。
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浴槽は入泉ごとにお湯は張り替えられ、その都度係員が清掃してくれるので清潔感もあり。
何故か鳥の羽が残っていたけど、気にするな 笑
手前にあるレバーを回すと、熱々のお湯がドバドバと溢れでた。
「ウホホッ、これは!!」
もう一方のレバーで水も出せるので好みの湯温に調整してお湯が溜まるのを待つ。

自分も服を脱いで入る準備をしていたら、タオルを持ってくるのを忘れたことに気づく。
が、気にしてられるか!

お湯はすごい勢いで出ていたが、なにぶん浴槽が広いの溜まるのにもそれなりに時間がかかる。
待ちきれずに浴槽に入り、打たせ湯気味でお湯を浴びる。
「あっ♥」
思わず声が出る。
くぅー、たまらなすぎる。

もう、この温泉の気持ちよさを説明するのに言葉はいらない。
この写真で十分お分かりいただけることだろう。
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幸せすぎる。
環太平洋造山帯バンザイだ。

ホカホカになった体で温泉を出ると、簡単に施設見学。
園内中央部には硫黄の香る湯畑が。
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sala de massageというマッサージ部屋も発見してしまい突入しようか迷ったけど、温泉の約4倍の値段だったので諦める。
といっても600円くらいなんだけど。

ちなみにこれがインカの皇帝アタワルパの浸かっていたという温泉。
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ここで入浴中にスペイン軍に捕まってしまう悲運。
スペイン軍よ、ちょっとは空気読んで欲しい。

さて、温泉から街に帰って来たらお腹が空いたのでご飯を食べに。
そういえば体調を崩していたので3日くらいまともに食べなかった。
宿の近くにあった中華でいいかと適当に入る。

そこは普段食べている中華の1.5倍くらい高かったけど、メニューの中にチチャロン・デ・ポヨという文字を発見。
ポヨは鳥でチチャロンは揚げ物だから…
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王者の選択。鳥の唐揚げ。
まぁ衣がないけど、レモン汁付きだし文句なし!
ちなみに揚げワンタンが載ったチャーハンをこっちではアエロプエルトっていうそうだ。
アエロプエルトは空港って意味だから、たぶん揚げワンタンを飛行機に例えてんだろうな。

風呂良し、飯良しのカハマルカ。
マジ最高。

翌日。
また来ちゃった。
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宿の共同シャワーなんて入ってる場合じゃねー。

今日も昨日と同じ風呂でいいかなと思ったら、メンテナンス日らしく一個ランク上の部屋になった。
といってもあんま違いはないかな。

でも湯心地に変わりはなし!

昼から幸せな気分になりました。

こりゃあ宿に戻ったら昼寝かな、なんて気持良く外に出ると、そこに吹き抜けるは一陣の風!
小さな竜巻がなぜか、発生し巻き込まれる。
さっぱりした体が一転して、ジャリジャリの砂まみれ。

温泉台なし。。。

あ、温泉の話ばかりでカハマルカの写真がないとご指摘の皆様。
そうなんです、温泉に夢中でまじで街中の写真がほとんどありません。

でもちょっとだけ観光したクアルト・デル・レスカテ。
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ここは温泉で捕らえられたアタワルパが幽閉された場所で、アタワルパはここに線を引いてその高さまで黄金を集める代わりに自らの解放を懇願したらしい。
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こんな感じに。
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約束通り黄金は集めたものの、結果的にアタワルパは処刑されてしまう。
ここカハマルカはインカ帝国の終焉の地でもあるのだ。

でも、施設内はたったこれだけで、歩いて30秒で見て回れ規模なのに5ソルはちょっと高いかな。
だって温泉1回分だよ 笑
それに入り口が小さすぎて見つけづらかった。
こんなん。
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肩身が狭そうだ。

さて、ここカハマルカは周囲にいくつか目ぼしい遺跡もあって当初はそこも訪ねてみようと思ってたんだけど
ついて早々に温泉に行ったらもうこの街でやることはやりきった気分になっちゃったんで行くのはやめました。

温泉の町カハマルカ。
それでいいじゃないか。
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