2012年7月8日日曜日

苦しみの山岳路

昨日はなんだかうまく寝付けず、何度も寝返りをうつストレスの溜まる夜を過ごした。
おまけに前の晩に食べたエビが当たったのか、だんだんとお腹が痛くなってきた。
といってもそれほど、強い痛みではなかったので念の為にアスピリンを飲んで出発。
昨日もたいして走ってないし、こんな田舎で2日もやることがない。

引き続き川沿いを走るルート。
徐々に傾斜は上がっていくがそれを感じさせないほど緩やかなコース。
対岸には川と風雨で削られたであろうとんがった岩山が見事なウェーブを岩肌につけていた。
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川を跨ぐ橋を越えてしばらく行くと、ややサボテンの多い地域に。
下界は灌漑によって緑豊かになっているけれど、本来のこのあたりの風景はこのようなものなのだろうか?
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カハマルカまではひたすら東に進むこのルート。
なので当然朝方は、真正面に太陽を受けて走ることになる。
山岳地帯を貫くこのルートの朝は正面にギザギザにとんがった山々のシルエットが浮かび上がってなんとも言えない美しさだった。
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しかしこの頃になると、調子の悪かったお腹の具合が本格的に悪くなり、時折猛烈な悪寒と痛みが襲ってきて自転車を漕げなくなるほどだった。
そしてアスピリンの影響か、頭がぼーっとしてしまい、意識が朦朧としだした。
なんとか40km先のチレテの街に到着し、割合大きな街だったのでここで今日は泊まろうかと思ったが
一先ず休憩して様子見をすることに。
お昼時ではあったが、ちょっとご飯を食べれる状況ではなかったので、飲み物だけ買って休む。
座って、前のめりになって少し眠ったら少しよくなった気がしたので出発したが、これが間違いだった。
この姿勢だと痛みが和らぐのだけで、実際は全く良くなっておらず、むしろ悪化していた。

たまらず、道路脇に自転車を駐めて横になる。
やはり横になっているときは多少マシなものの、そこは自転車。
自分で漕がないと進まない。
街に引き返すという選択肢もあったはずだが、一度通過した街に戻るというのは中々気が進まないもので
聞けば次の街にもホテルがあるというので、休み休みペダルを回す。
走っているコースそのものは素晴らしいコースだっただけに、ここを楽しめずに走っていることがなんとも残念。
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25kmほど走ってようやくマグダレナの街に。
町中の坂を下った突き当りのホテルに倒れるように入る。
この宿は自転車をそのまま部屋に突っ込めるいわゆる長屋タイプの宿で助かった。
そのまましばらく横になり、夕暮れ時に晩御飯を食べに少し外に出たがとても食べる気が起きず、
注文したはいいもののほとんど手をつけずに帰った。

それから朝までベッドの上でひたすら眠った。
夜中には熱が出たのだが、朝には引いていた。

長いこと寝てだいぶマシになったかと思ったが、やはりまだお腹の具合は良くなっておらず
再び腹を締め付ける痛みに苦しみ、僅か27kmしか走れずダウン。

ここでも18時間ほどひたすら眠って回復を待った。
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腹痛と戦いつづけて3日目の朝、ようやくほぼ完全に痛みが取れた。
これが都市部だったら、ゆっくり休めばよかったのだが、何もないこのあたりでは少しでも進まなきゃいけないことがつらかった。
前の日に泊まったサンファンの街を出ると道はひたすらにつづら折れが続く。
谷間にあるこの街を朝日が次第に染め上げる光と影のショータイムはまさにアンデスマジック。
上がってくる太陽と、標高を上げる僕とで山はいくつもの表情に変化していった。
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さて、エクアドルに比べて傾斜のゆるいペルーの山岳路は大抵つづら折れを繰り返して標高を稼ぐ。
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エクアドルにもそんな道はあることにはあったが、一回の折り返しで大体100~150mほど登らされる。
それに対しペルーは一回の折り返しで登るのが大体30m程度。
いかにペルーの傾斜が自転車にとって優しいかおかわりになることだろう。
しかし、人の欲望は尽きることを知らない。
2日前に泊まったマグダレナからカハマルカまで直線距離で20km程度。
しかしこの折り返しを繰り返すことで道程としての距離は60kmほどになってしまうのだ。
つまり、ここまでゆるいと漕ぐのは楽だが、代わりに距離が長くなってしまう。
体調が良くなると、人間の欲望はむき出しになってしまうようで、この折り返しを登っている間、
もうちょっと傾斜きつくていいから距離を短くしてほしいなぁなんて思いながら上った。
まぁゆるい傾斜といっても、この3日間ろくに食べ物を食べていない自分にとってまぁキツかったんだけど。
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ともかく標高0m地点のチェペンから150km続く登り坂を登り3100mまで来るとようやく下りがやってきた。
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そして眼下にはカハマルカが見えた。
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