2012年6月6日水曜日

27日目の出発

明日こそこの街を出るぞ。
そう決意して前日に荷物もパッキング済みだった。

しかし、キト滞在27日目の朝、空はどんよりと曇っていた。
窓から表をみると、雨粒が道路で鈍く黒光りしていた。

雨季のキトはどんなに空が青々とした朝でも、午後には大抵雲が太陽をすっぽりと覆う。
しかし、前日はこの上ない快晴が一日続き、いよいよ雨季の終わりを感じさせるかに思えたところでこの天気。

朝から雨が降るなんて、この一月近い滞在の中でも記憶にない。
出ると決めた日にこんな天気って。

出発しようとしながらも、あらゆる誘惑に後ろ髪を引かれて、ついつい長居してしまった僕のように
この雨季の空もなかなかその場を離れようとしないみたいだ。

しかし、今日という今日は出発しなければ、また再びズルズルと居座り続けかねない。
そう思って前日に宿代を支払いは済んである。
サイクルパンツに、日本から送ってもらった走行用のハーフジップのTシャツも着用済みだ。
これで出ないでどうする。

雨ももう止んではいたので、当初の8時出発予定からはすっかり遅れたものの
9時半に宿を出た。

久々のフルパッキングの自転車。
いざ出発だ!
s-DSC00488
重さは感じないものの坂がちなキトではすぐ息が上がる。

因縁の旧市街、スクレや泥棒宿を横目に中心部を過ぎる。
s-DSC00493
それにしてもこの街の車の運転はスピードこそ出さないものの自転車泣かせだ。
バスレーンが通ってるために路肩を走ろうにも走れないし、道路を横断しようと手をあげても無視される。
自動車優先主義。道もところどころボコボコ。
s-DSC00504
久々の自転車で走行が慣れないのに加えて、この車の横暴とも言える運転にイライラしつつ2時間。
ようやくキトを出れた。
s-DSC00505
s-DSC07024
市街にでると、道は綺麗なアスファルトに変わり路肩も広くなった。
この道は以前コトパクシに行く時に通った道なので、もともとは知っていた。
この快適な道があるのを知ってるからこそ、この道に出るまでが長くて仕方なかった。

キト以南のパンアメリカンハイウェイはエクアドル最高峰チンボラソを筆頭に5000m級の山々に囲まれた
丘陵地帯を貫いており、その景観は“アンデスの廊下”と呼ばれている。

ただ、残念ながら今日は、その山々は分厚い雲に阻まれその威容を目にすることは出来ない。

今日の目的地は80km先のラタクンガ。

せっかくのアンデスの廊下の前半戦をこんな曇り空の中でいいのだろうか?

うーん…





やーめた。

やっぱりエクアドルのハイライトをこんな天気で走るのもったいないよな。

青空の下走ったほうが気持ちいいし、コトパクシを背景にあの時の余韻に浸って走りたいし。

今日はすぐそこのマチャチで泊まろう。



ということで立ち寄ったマチャチ。

ここもコトパクシ登山の時に寄った街なので、ある程度勝手知ったる街で街の規模も大きいのだが
宿泊施設が少なかった。

1時間近く街をウロウロし、ようやく2件の宿を見つけ安い方の7$の宿にチェックイン。
ベッドが2つある広い部屋をあてがってもらったのだが、ベッドがなぜか犬臭い。
おまけに鍵がなかったので外出もはばかられる。

ささっとスーパーとレストランに行って昼ご飯をテイクアウトし宿で食べる。
s-DSC00508
s-DSC00509
s-DSC00510
ネットもないので暇だった。

気づくとウトウトと眠ってしまった。

目が覚めると夜の9時。

たいして走ってないのに、体はしっかり疲れていたようだ。

すっかりまたお腹もすいたので、前の日にテイクアウトして冷凍しておいた
玉麺館の餃子を焼いて食べる。
カバンの中で圧迫され形はひどかったが、相変わらず味は抜群だった。
s-DSC00511
キトを離れた今日もこの餃子に舌鼓をうつ夜。
あぁ。なんて贅沢なんだ。

僕の幸せとは裏腹に宿の外では、犬が狂ったようにいつまでも吠えていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿