2012年5月10日木曜日

初めてのエクアドル

河を隔てた国境越えというのは大抵上りからのスタートである。
さてさてエクアドル。いったいどんな変化が待ち受けるのか。
ひとまず道路は大きく違いはない。
通りゆく車は…若干ボロくなったような気がするような、しないような…。

5kmくらいの緩い登りを終えると最初の街が見えてきた。
街の入口ぐらいで、前方に車が止まっていて運転手らしきおっさんが見えた。
おっさんは手の平を縦にして左右にサッサッとする動作を僕にしてきた。
結構交通量の多い道だったので、後続の車に気をつけるよう路肩を走れの合図と思い
路肩側によったのだが、おっさんはさっきのジェスチャーを再び繰り返している。
どうやらちょっとこっちに来いの合図らしい。

はて?と思いつつも悪いやつじゃなさそうなので自転車を停める。
どこから来たんだ?とお決まりの会話。
この手の話は本当に数えきれないくらい今まで繰り返してきた。
なので旅行についてならある程度、おっさんともスペイン語でコミュニケート出来る。
しばらくいつもの会話をしていると、最後におもむろに車の荷台を開けた。
荷台には大量のパンが積まれていて、おっさんはそのパンを2切れ取り出して僕に差し出した。
『これ食ってパワーだせよ!』とのことらしい。
いやいや最初のエクアドル人とのコミュニケーションでパンを頂くとは…
幸先よさそうですな。

話は少しずれるが、ここエクアドルに限らず、中南米どこの国でも大量の荷物を積んだ自転車
増してやアジア系の人間は珍しいのでとても目立つ。
故にこのようにちょっと来いと呼び止められる機会もよくある。
大抵どこから来た?とかウチの国はどうだ?とかの話になるのだが声を掛けてきた人の第一印象によっては
笑顔で手を振ってスルーするときもあるし、行き先はその国の首都ぐらいまでと答えることも多い。
最低限、自分の身を守るためだ。
なので彼らと話をしながらも、常に警戒心はどこかしらに持っている。
だから今回のように思いがけない親切心に触れるとやはりとても嬉しいものがある。

さて、最初の街トゥルカンは思った以上に大きな街だった。
ひとまず銀行でお金を下ろし、この国の物価を知るためにスーパーへ。
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ん?

んん?

んんんー!?

物価が安くなってるじゃないか。

飲み物の物価高に泣いたコロンビアから比べると同じ品物が3分の1くらいで売られていた。
約100円したオレンジジュースが30円で売っていた。
それにコロンビアの一部大型スーパーでした売っていなかったインスタントラーメンの品揃えも復活した。

エクアドルさん、やるじゃないか…

余談だが、その国の物価を調べるために見て回る品物は僕の場合、ラーメン・コーラ・ツナ缶である。
その他パンや肉、パスタは大抵どの国も安いのであまり参考にならない。

スーパーを出ると時刻はは11時。
今日の予定はこの街に宿泊のつもりである。
並ぶと聞いていたイミグレをあっさり通過できたので、時間はかなり余裕があった。
どうしようと思いながらセントロの方へ行きホテルを数件見つけたので訪ねてみる。
5$、7$、4$。
宿代もさがった。
値段は安いのだが、どうも僕の好みにしっくりくる宿がなかったこともあり
時間もまだ早いので予定を変えて次の街まで行くことにした。
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街の郊外は緩い上りになっていた。
傾斜もそれほどきつくはない。
道路の舗装も良くなり、路肩が広く取られていた。
断崖絶壁の山岳地帯が続いたコロンビアと違ってエクアドルは穏やかな丘陵地帯が広がっていた。
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2時間ほどかけて3100mまで上る。
その頃にはこの時期よく見られる雨雲が発達してきて
いつものように雨に降られた。
さすがにこの標高で雨は体が冷える。
峠を越えて下り基調なので余計に雨風が体温を奪っていく。

バス停が所々にあったので、そこで雨宿りを繰り返しながら40km。

なんとか目的の街へ到着。

この街も案外大きかった。

走っていて気づいたが、エクアドルは道路上にまばらに住宅が点在していたコロンビアと違って
村や町などの集落に集中する傾向が強いようだ。
なので町と町の間には家が少ない。
それに20km走れば宿の一つや二つあったコロンビアに比べて宿も少なかった。
到着したサンガブリエルの町も、この規模にしてこれしか宿がないの?と思わず思ってしまう。
セントロから外れたところの宿を紹介してもらい、投宿。
6人用の部屋を使わしてもらい、ガスで沸かした熱々のシャワーが使えて5$。
晩御飯は近くのハンバーガー屋で飲み物、ポテト付き2$。
結局今日は10$ぐらいしか使わなかった。

今回の国境越えはアメリカ~メキシコ越えについで変化が顕著な国境越えだった気がする。

なかなか旅がしやすそうな国だな。
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