2011年10月1日土曜日

異世界へ

あ、あつい…
もうじき暦は9月だというのに暑さは留まることを知らない。

s-DSC02454
49Cって!?
いやいやこれはさすがに誤差だがおそらく40度は出ていただろう。
本当に暑い。
ランドリーが僕のリビング
その前が僕の寝室

Albuquerqueを出て3日目。
僕はAlamogordoの街に到着した。
ニューメキシコ州は軍事産業がさかんで、この広大な平野を利用して軍のキャンプが各地にある。
僕が通ってきた、カリゾゾの西は広島に投下された原爆ファットマンの投下実験が行われた場所があった。
国家防衛の要所であるためか、今まで通ってきたどこよりも田舎なこの場所だったが、警察車両がよく通っていた。
車両もいよいよ“Border Patrol”に変わり国境が近いことを感じさせる。

ここAlamogordoは僕がずっと楽しみにしていたホワイトサンズ国定公園のゲートシティ。
これだけ暑いので早朝に公園に行くのがベストだと思うが、はやる気持ちを抑えきれず
モーテルにチェックインした後、荷物を置いて公園へ出かけた。

時刻は午後2時。暑さのどピークだった。
走ること20km。入り口到着。
s-DSC02458
ホワイトサンズ国定公園。読んで字の如く。説明はいらない。
行ってみましょう。

なにやら前方が白いぞ…
s-DSC02729
しばらく前から、この白い地平は目に入っていたが、公園に入って少し走った途端とんでもない風景が広がった。

s-DSC02732
白い!!
突然の景色の変化に驚く。
しばらく進むと、やがてアスファルトもなくなり白銀世界が広がった。
s-DSC02750
s-DSC02739
s-DSC02734
ちょっと黄色がかって見えますが、カメラの設定ミスで実際はもっと真っ白です。

この白の正体は“石灰”である。
周囲の山々から雨に溶け出して流れ出た石灰がこのあたり一体に堆積する。
水溶性である石灰は普通そのまま海へと流れでてしまうのだが、この地には海へつながる川がないため
この乾燥気候と相まって白い砂丘を形成する。

白い○○というのはいろんなところで耳にするが、ここまでの白ってあっただろうか?
さらに奥に進むと、草木も少なくなりさらなる白が待ち受けていた。
s-DSC02791
すごい。
まるで別な星にきてしまったんではないかと錯覚してしまう。
錯覚してしまったのは僕だけでなく、カメラもだった。
僕のカメラにはパノラマ撮影機能がついているのだが、あまりの白一面のため変化を感じなくなり
いくらカメラを振ってもエラーで撮影できなかった。
正確さがウリのデジタル機器さえ惑わす白銀。

s-DSC02793
s-DSC02796
一歩道を外れると、砂が風に流されて出来た美しい風紋が流れるように走っている。
s-DSC02814
あちぃ。涼しいのは画面越しで見ているあなただけです(笑)
s-DSC02776
砂を手にとってみる。
s-DSC02802
非常にキメが細かく、ほとんど水分を含んでいないのでさらさらとしている。

それにしてもこの白。太陽の照り返しが半端じゃない。
時刻も時刻だけにここをサングラスなしで走ったら、あっという間に雪目になってしまうだろう。
s-DSC02794
ビジターセンターで売ってたサンドボード。これで砂丘をすべるらしい。
s-DSC02462
こんなふうに。
s-DSC02463
ほんとすごいとこに来たもんだ。
s-DSC02790
ここは全てを自分でこなすバックカントリーキャンプ以外は認められていないのでキャンプ場はないのだが
ピクニックエリアはあちこちに広がっていた。
流線型の屋根に、不規則かつそこそこ密集度を持ちながら点在するピクニックテーブルが
より異世界感を醸し出す。
これだけの景観なのに観光客はほとんどいないため、失われた宇宙都市を発見した気分だ。
s-DSC02757
砂地というと自転車で走りにくそうなイメージだが、この石灰の大地はとても道が締まっていて
下手なアスファルトより断然走りやすい。
s-DSC02807

s-DSC02812
いやぁアメリカ最後の目的地ですごいものに出会えた。
アメリカ内陸部のとんでもない田舎にある公園ですが、ここだけを目的に来る価値アリですよ。
s-DSC02778
ジャンープ!!

0 件のコメント:

コメントを投稿