2011年9月12日月曜日

ザイオンの過ごし方

ここザイオン国立公園でも2泊キャンプをした。

ブライスキャニオン同様、ハイカーズサイトはなく、セルフのキャンプ場だった。
平日だというのに多くのキャンパー達で賑わっている。
キャンプ場入口

川沿いのサイトがいいなと思って、川の方に行ってみたがすでに満杯。
よく見れば、他も空きサイトがない。

20分くらいキャンプ場を周ってようやく空きサイトを発見。
だけど、日陰なし・道路脇・水場遠しの三拍子揃ったサイトだった。

キャンプ場でいつも思うことだけれど、アメリカ人はテントサイト選びが本当にうまい。
日陰が十分に取れているところや、地面がフラットなところ、人の通りが少ないところ…
“あ、あそこ良さげだな”って思うところは大体既に確保されている。

過ごし方も見ていて気持ちがいい。

観光地だからと無理なスケジュール組みをするのでなく、ガダバウトチェアに体を預け読書に興じる老夫婦。
上半身裸になって、日光浴をするおっさん。
お気に入りのテーブルクロスをかけて、食事の準備に勤しむファミリーなどなどそれぞれがそれぞれのスタイルで楽しんでいる。

そういえばブライスキャニオンで見た、夕暮れ時、リム沿いのベンチでトランプゲームで盛り上がる家族も絵になってたなぁ。

さて僕はといえば、日本人らしくいそいそと観光に出かけることにする。

出かけたのは、こちら。
ここの頂上を目指します。

エンジェルス・ランディング、“天使の降りる場所”と名付けられたこの場所は、ザイオンでも人気のトレイル。
途中に鎖場もあってスリル満点。

日中は暑すぎて行動する気にならず、天候も崩れやすいので早起きして涼しいうちに上る事にした。

キャンプ場を出てすぐにビジターセンターがあり、そこから出ているバスに乗りトレイルヘッドまで。

ザイオンでは渋滞緩和・環境保護のためハイシーズンは僕の下ってきたマウントカーメルハイウェイ以外はマイカー規制が成され、基本的に園内の移動はこのシャトルバス利用となる。
バス停ごとに、運転手がその場所の見所をガイドしてくれ、天窓もあってこのバスに乗ってるだけでも十分楽しめる。

朝のザイオンは谷に挟まれているので、光が届くまでまだ時間があり日中の暑さはどこへやらといった感じで涼しい風が吹いていた。

日が差し込みきる前に、少しでも距離を稼ぐ。


勾配はそれなりにあったけれど、きちんとトレイルが舗装されているので歩きやすかった。
スイッチバックで標高をかせぐ
のも途中まで。

やがて、足場が粒子の細かい砂に変わり始めると舗装は終わり、足場の悪い斜面と共に鎖場が現れた。

この辺りから、ハイカー渋滞が起こり始めた。
リズムよくぽんぽん行きたいのだが 、ぐっとこらえる。

鎖場が一段落すると飛び込んできた風景は


断崖絶壁の尾根道が姿を現す。
狭いところだと、肩幅分しかないところもある。

でもこんなところを中には5歳くらいの子供が上っていたり…
さすが、自己責任の国アメリカ。


鎖場があるので安心だけれど、それでもさらさらした砂が足場に堆積していてけっこう滑る。
油断すると、ずりっと滑って肝を冷やす。
それでも景色は最高。



頂上まで出ると、あんなに狭かった足場が、見通しのよい広場になった。
頂上で、少し休憩がてら昼寝。
もう完全に、日が上って気温も上昇していたが、風が吹いていたので思いのほか快適に過ごせた。

帰り道は、時間も時間だったので行き以上にハイカーが多く大渋滞だった。
冒頭でアメリカ人のキャンプの過ごし方を賞賛したが、こういうときは、今からもっと暑くなるのにこれから上るとは…とも思ったりする。
実際、大汗かきながら今にも倒れそうな勢いでゼェゼェいいながら登ってる人もよく見かける。

帰りの僕は、体をクールダウンしにザイオンのハイライトとも言える川のトレイル・ナローズへ。
シャトルバスの終点まで乗り込みリバーサイドウォークを20分ほど歩くとナローズに出る。
が、ここまで歩いてくる途中で体が重くなりかけていた。
朝御飯はフルーツの缶詰しか食べておらず、行動食の持ち合わせもなかった。
何より、ナローズについてこの人の多さに疲れてしまった。
まぁここは以前歩いたこともあるし、いいかと思って結局15分くらい奥に歩いて引き返した。



 空腹もあるのだが、心配事が一つあった。

ここザイオンでは熊の出没はないが、熊に負けず劣らず凶暴な動物がいる。
彼である。
このリス、園内の至るところに出没し(エンジェルスランディング山頂にもいた)
食べ物を漁る。

かわいい見かけと裏腹に強力な顎と歯を持っていて、時にはテントを噛み切って中に侵入し食料を食い散らかす。
実際に、キャンプ場でも獲物を狙うリスをたくさん見かけのでキャンプ場を離れるのが少し心配だった。
フードストレージがあればいいのだが、熊の危険のないここにそんなものは無い。
大抵ハードクーラーとか車のトランクにでも入れておけば万全だがそんなものも持ち合わせていない。

テントを食い千切られるのだけはごめんなので、匂いのあるものをまとめて、自転車の上に載せておいた。テーブルよりかは上りづらいだろう。

だが戻ってみると、その心配は杞憂だった。
なんの問題もなしに荷物は無事だった。

テントに戻る頃には、もう暑くてやってられない気温(ましてや僕のサイトは日当たり良好の優良物件である)だったので、公園すぐ外にあるカフェに飛び込んだ。
ここで頼んだハンバーガーの味はともかくとしてスープがバテた体に優しかった。
ここに限らず、アメリカでは大体スープやカップのジュースはセルフサービスなので僕はいつも“並並”よそっている。

しかも、このカフェ5時に閉店するのだがテーブルは開放されているので、5時以降は使い放題(Wi-Fi有り)
併設されているスーパーでアイスや飲み物を買ってきて日が暮れる夕方まで過ごしてしまった…
これが伊藤流・キャンプ場の過ごし方。
ザイオンまできて何やってんだっていうつっこみはご遠慮ください。

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