2011年9月7日水曜日

刺激と快適

“自分が未体験ならば、そこは紛れも無くフロンティアであり、実際そこにいって己の目で見ない限り、それは自分にとって永遠に未知なのだ”と自転車旅の大先輩である石田ゆうすけ氏は言う。

僕の大好きなフレーズだ。

けど、時代が進むにつれどんどん旅は快適に、益々細部まで人の手は入り込んでいる。

毎日僕は、ネットを使ってなるべく無駄な登りもなく、目的地へ最短距離で進めるルートを調べる。結果、予定通りに目的地へと到着する。

道中は高度計とコンパス、距離計を使ってほぼ狂いなく現在地を把握できる。
もし迷ったとこはスマホのGPSを使って復帰。
目的地周辺の宿泊施設もすでに目星をつけてある。
だからついた街がゴーストタウンだったってことはほぼない。

目的地へ着いたらファストフード店や観光案内所でWiFiをキャッチし、明日の情報収集。
紙の地図はもはやいらないのかもしれない。

いやはや便利な時代になったもんだ…

以前のアメリカ横断はルート66走破という大前提があったので、その先が山だろうが谷だろうが、町がなかろうが、ただひたすらに進むのみだった。

だから今回の旅は、自由に快適な道を選べる楽しさがある。

でもなぁ…

ネットを使って快適な道ばかりでいいのだろうか。

そりゃ坂道はない方がいいけど、モーテルにとまれた方がいいけど、何もかもうまくいきすぎてちょっと味気なくないか?

予想外のことがあってこその旅だろう?

これではただ誰かが開拓した轍を辿っているだけで、まったくもって自分にとってのフロンティアじやあない。

そんな欲求がたまに出て、調べてもいない先の街へあえて行ってみて、情報がなくて困ってみる。
あるいは、この街にキャンプ場はないのを知っているのに、あえて街の人に聞いてみる。
当然無いとの返事。

確かに困るんだけど、そこからコミュニケーションが始まる場合もあるし、そこを打開したときの快感はやっぱり旅の醍醐味だ。

といいつつも今夜もネットを駆使して情報収集するcyber tourist伊藤です。

刺激と快適。

バランスって難しい。

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