2011年8月21日日曜日

イエローストーンの入口にて

さて、自分にとって特別な場所になったBozemanの街を名残惜しくも去ることに。
街にも人にも癒されすっかり体力回復したので、いよいよイエローストーン国立公園を目指す。

渡辺さんにレストランまで送って頂き、見送られながらのスタート。
心なしかペダリングが軽い。

まずはBozeman pass越えだ!
実はBozemanの街に滞在しようとしたの理由の一つに、地図上でこのpassの文字を発見したからというのもある。
“pass,sumit,valley,conyon…”これらの類の言葉は嫌いだ。なるべくなら避けて通りたい。
が今回はルート上どうしても通らなければいけない。
峠越えした疲労困憊の体でイエローストーンに行っても楽しみきれないと思ったので、しっかり街で骨休みをしてイエローストーン入りしようと思ったのだ。
さいならボーズマン!!


街を抜けてI-40に再合流。
トラックや車の激流の脇を走る。街を出てすぐに登り坂が始まったが、案外たいしたことないぞ?

アメリカの高速道路であるインターステートは高速運行を実現するために、なるべく道が平坦に作られている(ように感じる)。加えて路面状態が概ね良い(ただし交通量が多いので路肩のゴミは半端なく多い)。一般道に当たるUSハイウェイや州道が山や川に沿ってうねうね延びているのとは違って非常に走りやすいのだ。

あっさり完登。

ここからLvingstoneの街までノンストップで下る。
下り坂に加えて路面状態も非常によくほとんどペダリングせず10マイル進んだ。

まだ午前中。

本当は今日の走行はここで終わるつもりだったのだが、あまりの快走振りに気を良くしてそのままイエローストーンのゲートシティであるGardinerまで行くことにした。
距離にして50マイルと少し。
6時間あれば到着できる距離だ。

しかし、ここから少し苦戦する。
進路が南だったので、これまでもさんざん苦しめられた南風が復活。
加えて微妙な上り坂のせいでスピードが出ない。
この微妙な上り坂っていうのが曲者で、視覚的には、平坦に見える。
なのにメーターを見るとスピードが出ていないから精神的な疲労をしてしまう。

途中のスタンドで一息つく。
渡辺さんに頂いたおにぎりを食べてリスタート。
おにぎり食べて超回復!
天気よ、持ってくれ。

苦しみつつも、7時ごろ街に到着。
40kmのつもりが結局130km走ってしまった。

街の入口にあるキャンプ場を訪ねる。
さすがに世界屈指の人気公園のイエローストーン付近にあるキャンプ場なので混んでいる。
ラスト2サイトのところにぎりぎり滑り込んでテントを張る。
崖の下のキャンプサイト
晩飯の前にシャワーを浴びようとシャワー棟に向かうと…
外の流しに洗いかけの鍋が置いてあった。
炭にまみれて随分と使い込まれてるなぁと思いながら見ると、洗い用のスポンジをしまうジップロックが目に付いた。
『Zip-lock,ジップロック…。ん、日本語で書いてあるぞ?』
と思った瞬間、鍋の持ち主が現れた。

黒々と日焼けしているが一目で日本人と分かった。

それは彼も同様だったようで
『Are you japanese?』と聞いてきた。

『yes』と答えると一気に彼の表情がほころんだ。

彼の名前は明石さん。名前とは裏腹に関東出身(笑)
彼も自転車乗りで4月にアラスカを出発し、メキシコシティを目指しているそうだ。
カナダではカヌーツーリングに挑戦し、川の両サイドの山で山火事が起き、まさに火の海を越えてきた男だ。

『どこからスタートしたの?あそこは通った?カナダ物価高すぎだよね~』
などなど 僕もこの旅で初めての日本人自転車乗りだったので、話が止まらない。

しばらく僕のサイトで明石さんと話していると、一人の外人が近づいてきた。
なにやら明石さんと顔見知りのようだ。

その彼はスティーブと言ってシカゴ出身のメガネ男子。
彼もイエローストーンを目指している自転車乗りだ。
キャンプ場で明石さんを見つけて、ちゃっかりお金を払わず明石さんのサイトに潜り込んだそうだ。

よく彼を見てみると…
む?こいつ見覚えあるぞ!

実は、ボーズマンをうろうろ散策していたときに僕と彼は出会っている。
荷物満載でハイウェイ方面から走ってくる彼とウォルマートに行こうと自転車を走らせていた僕に
彼が自転車屋の場所を尋ねてきたのだ。
僕は、バッグをつけてなかったので地元民と思ったのか。
『ダウンタウンに行けばあるよ』
と教えると彼はすぐに行ってしまったのだが、まさかまたここで会うとは!

しかしスティーブに、そのことを話すと彼は覚えていないようだった…

ともあれタイミングよくイエローストーンの入口で自転車乗りが3人集まった。
目的地は一緒なので、イエローストーンに入ったら日中の走行は各々自由に走って、
キャンプ場で落ち合おうということになった。


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