2011年7月24日日曜日

惨めな一日とウォータートンレイクス

Head smashed in buffalo jumpにて今後のルート確認をすると、この先の道はgravel(砂利道)だぞと受付のおっちゃんに教えてもらう。
ウオータートンレイクへ向かう人は、だいたいみんなここから引き返して、国道を通っていくとのことだ。
たしかにグーグルマップ上はこの先に道が続いているけれど、他の地図で見るとだいたいこの場所で地図が切れている。
砂利道を通って下手にパンクするよりは国道を通ったほうが計算がつくと思い、教えに従って来た道を引き返す。
約30キロの遠回りとなってしまった。
国道2号に戻り、すぐに3号線にぶつかる。
こういうジャンクション付近は大抵道が広く作られている。
2号線の終盤はやや道が狭かったのもあり、久しぶりに広い路肩を走れてスピードアップしようとした時、口にかなり大きい虫が突っ込んできた。
慌てて吐き出すと、自転車のバランスが崩れてしまい、路肩のフェンスにぶつかりそうになった。
ハンドルを切り返して衝突は避けれたものの今度は逆側にバランスを崩した。
脚を地面につけて踏ん張ろうとしたものの、右足がトゥクリップから抜けずそのまま転倒してしまった。
痛んでいる間もなく、すぐ後ろから大型トラックが迫ってきた。
右足がまだ抜けない。
僕は這うようにして体勢をかえて何とか大型トラックをやり過ごした。
もちろん、トラックの運転手も僕の転倒には気付いて僕を避けるように通ってくれたが、
迫り来る鉄の塊の迫力にしばらく脚の震えが止まらなかった。

転倒で右ひざを痛めたので、気分は落ち込みつつも自分で進まなければ何も解決しないので応急処置をして再出発。
外傷だけで骨や間接に痛みが出なかったのが救いだった。

3時くらいに目的地であるPincher Creekの街に着いた。
街の入り口でウォルマートがあったので入店。
意外とカナダでは初のウォルマートだ。
昨日から、サイクルメーターの電池が切れそうでボタン電池を売っているお店を探していたのだが、なかなか見つからず、ウォルマートなら売っているのではとの思ったのだ。
店員さんに聞いて、なんとか発見。が2つで12$と破格に高かった。
カナダではあまりボタン電池はメジャーではないのかもしれない。
他にもボタン電池に何か塗り薬のようなものを塗って電圧を復活させるキットのようなものも売っていた。
店内では電池だけのつもりが、さすが何でも売っているスーパーセンター。
色々と目移りしてしまい、さらに安い。いつも4$ぐらいしていたクッキーが2$で売っている!
他にもお買い得品が盛りだくさんで、またもや買い込んでしまった…
そして自転車の積載容量も超えてしまったのだった。

溢れた分の食べ物を胃袋に収納し、サイクルメーターの電池入れ替えと再設定をしているうちに時間は4時を回っていた。
今日の目的地には到着したのでもう今日は走行をやめても良かったが、ここからウォータートンレイクスのヴィレッジまで約55キロ。
頑張れば7時に着く。
一日に2つの世界遺産を走破するなんてことは、今後なかなか出来なそうなので思い切ってウォータートンを目指すことにした。

しかし街を出たとたんに東の空が真っ暗。
雨が降りそうだ。雷もなっている。
僕の目指す南の空は明るかったので、素早く南に移動すればやり過ごせるかと思い、そのまま進んだ。

僕のアテは見事に外れ、30分後には大雨の中にいた。
雨だけなら良いのだが、雷が凄い。
空気を震わせ振動が伝わってくる。

以前のアメリカ旅行でも激しいストームに遭い、生きた心地がしなかった。
もう二度と天気が悪そうな日は走らないと、そのとき固く誓ったはずだったが、また再びストームの中に僕はいた。
おそらくこの地域は、平原とロッキー山脈がぶつかるところで、暖かい空気と冷たい空気がぶつかりやすく、ストームが発生しやすいのではないか。

あたりに身を寄せれる建物もなく、僕は落ちるなよ~と祈りながら必死で南を目指した。
途中で、僕を見かけたトラックが止まってくれ、乗っていくか?と声を掛けてくれた。
しかし、彼の行き先と僕の行き先がちょっと外れる。
それでも、この雷雲地帯を抜けれるのであればと思い乗せてもらおうとしたが、僕の語学力不足で上手く伝わらず車は行ってしまった…。

こんなこともあり落ち込みつつも走ること一時間でなんとか雷雲を抜けた。
良かった、生きてると安堵していると急に体の力が抜けていった。
振り返れば地獄
ラピュタ!?

安心はしたものの、まだ30キロ程公園まで距離がある。
雨に打たれて少し体も火照っている。

予定通りさっきの街で走行を止めていれば、安そうなモーテルもたくさんあって雨もやり過ごせたのにななんて思った。
だいたいにおいて僕の行動は一か八かが多い。
それは仕事のときもそうで、たくさんの失敗をした。
仕事では上司や同僚たちが僕の失敗をフォローしてくれたが、今回は自分ひとりだ。
最低でも七か八かというくらいに安定した判断を出せないといつか絶対に大きな失敗をしてしまう。
5年前のストームであんなに固く誓ったのにななんて反省しながら、残りの30キロをどんよりした気持ちで漕いだ。

公園に着いたのは8時過ぎだった。
この街のホステルに泊まるつもりだったが、なぜがやっていなかった。
街の奥にキャンプ場もあるのだが、そうこうしているうちに再び雨脚が強まり、とてもテントを張っていられる状況ではなかったので気持ちのリフレッシュも兼ねてモーテルに泊まることにした。

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